eco活動見学会は神戸大学の学生を対象にして、学外の環境関連施設を見学し、環境に係る視野を広げることを目的として、年1回開催しています。今回は、12月1日(水)に神戸市東灘処理場(兵庫県神戸市)を見学しました。
神戸市東灘処理場は神戸市内最大の下水処理場であり、ごみ発電や消化ガスを高度精製し、自動車燃料?都市ガスへ供給しています。また、汚泥からのリンの回収実証や外部バイオマスと混合消化による消化ガス増量の実証等を行っています。地球環境の保全に重要である3R(リユース、リデュース、リサイクル)についての知見を深め、理解する目的で、東灘処理場を見学しました。本年度は新型コロナウィルス対応に伴い、現地集合?解散と配慮したこともあり、学生?教職員10名が参加しました。
まず、東灘処理場のスタッフの方々から下水道?下水処理システムの概要についての説明(図1)があり、その後に処理施設を見学しました。トイレや流しなどから出てくる生活排水は、微生物により分解?浄化されますが、その生物反応槽を見学しました。
また、微生物分解時、酸素濃度を少なくするとメタンガスが発生(これは「消化」と呼ばれている)しますが、そのガスを自動車や火力発電の燃料(カーボンニュートラルガス)として利用できることから、本施設内の消化タンク(図2)の上部まで登って見学しました。
さらに、自動車に供給する「こうべバイオガスステーション」(図3)や、下水内に多く含まれるリンを回収し、肥料として使用する施設も見学しました。これは「KOBEハーベストプロジェクト」の一環となっています。
処理場見学の後の質疑応答では、学生から活発に質問があり、スタッフの方々に的確でわかりやすくお答えいただきました。処理業務だけでなく、下水を有効利用する技術を絶えず開発していることがわかり、非常に有意義な見学会となりました。