神戸大学の「環境報告書2012」を拝読し、まず、環境憲章に謳われている「世界最高水準の研究教育拠点として、最重要課題である地球環境の保全と持続可能な社会の創造に全力で取り組むことと、この人類共通の目標を実現する道を築いていくことを約束します。」
この力強い宣言に感銘致しました。そして、全学的に共通認識の基で様々な活動が行われている様子が伺うことができました。今回は学生からの学長インタビューの内容が紹介されており、堅苦しくなく環境憲章に基づいた学長の環境への思いが良く理解できます。
「環境報告書を読む会」は、大学の環境活動を理解し、様々な提案を頂けるよい機会と思います。今後も更に、ステークホルダーとして大学の構成員(教職員、学生)、卒業生、父兄、関連企業、行政、地域住民、他大学等のご意見を取り入れられることで環境活動が充実し、本報告書が新鮮な情報提供と環境を考える重要な資料となることと思います。
環境に関する教育研究等の取組として、様々な領域についての紹介があり、大変興味深く読ませて頂きました。毎年報告書に掲載するトピックスの選定は、編集部にとって大変な作業で、公募等の手段もありますが掲載に漏れる場合もあります。環境に関する各学部等の取組は数多くあり、読者も興味ある内容なので、例えば、講義内容、啓発事項等についての一覧と概要を毎年計画的に掲載して、既刊の報告書の併読や URL による閲覧を進めることも一つの方法だと思います。
貴学の環境保全のための組織として、学長、役員会の下に「環境?施設マネジメント委員会」及び各部会、検討 WG があり各部局等の協力体制が充実しています。
「環境マネジメントを推進するための基本方針」において、CO2 排出量については、大きな目標を目指し、様々な活動を繰り広げられており非常に参考になりました。どこの大学においても課題となっています省エネルギー対策は、①管理体制(システム)の整備、②ライフスタイル?意識改革、教育?啓発、③省エネ等施設整備や技術開発の3本柱が重要でありますが、環境キャラバン、見える化装置設置、電気予報、太陽光発電設備及び運転状況公開等と充実した管理体制になっていると思われます。今後、環境?施設マネジメント委員会、環境管理センター、更に、新たに設置された安全衛生?環境管理統括室等を中心にした学内の環境管理及び安全衛生管理についての新たな企画立案及び運用の点検、見直しが行われ、国際的にもリードした教育研究拠点として益々充実することと思います。隣県の大学として、今後も色々な面で参考にさせて頂きたいと思います。
新たな「環境報告ガイドライン2012」では、環境配慮経営の経済?社会的側面に関する状況についての情報が求められています。今後、環境方針を軸に環境保全のコスト、効果等の観点も配慮した組織的評価がなされ PDCA サイクルが益々進むことを願います。
- 氏名
- 竹内文章( たけうちふみあき )
- 現職
- 岡山大学環境管理センター 准教授
- プロフィール
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昭和61年から同センター勤務、学内における環境教育、環境管理業務、環境マネジメント委員会委員等に従事。
現在の主な研究は「高活性鉄酸化細菌の解析及び環境浄化?資源回収への応用」
工学博士、農学博士、岡山大学大学院環境生命科学研究科兼担