「ハイテク専制」国家?中国

「ハイテク専制」国家?中国

内側からの警告

中国の「今」を激論した往復書簡。

  • 著者
  • 王力雄, 王柯
  • 出版年月
  • 2022年06月
  • ISBN
  • 9784865783483

国民1人当り2台近い大量の監視カメラ、メディアおよびネットの統制、警察権力の濫用にもとづく言論?行動の支配の数々、そして、民族主義の扇動による「戦狼外交」と少数民族弾圧――。

ディストピアSF『セレモニー』に限りなく接近しつつある中国の「今」を激論した往復書簡。

藤原書店 書籍紹介より


目次

  • 1 作家?王力雄と『セレモニー』
    • 『セレモニー』と現実が重なった
    • 専制主義とテクノロジーの最悪の結合
  • 2 「ハイテク専制」――デジタル全体主義の実像
    • 「ハイテク専制」は従来の専制と何が違うのか
    • ハイテク専制は時空間の限界を超えた
  • 3 完全監視社会――私企業からも情報管理
    • 政府による「全面的監視」はいかにして可能か
    • 果てしなく拡大する監視のテクノロジー
  • 4 警察の腐敗――「共産党の犬」と公然と自認
    • 公権力は誰のためのものか
    • 警察は「政権の犬」
  • 5 「人治」の蔓延――特権階級の既得権益と「法治」の喪失
    • 中国における「法」とは何か  「人治」の蔓延する中国社会
  • 6 言論統制――情報遮断と暴力による弾圧
    • 既存メディア?セルフメディアへの統制
    • 外部情報は遮断し、内部情報は統制する
  • 7 すり替えられた民族主義――扇動される愛国主義
    • 中国の「民族主義」はどこへ向かうのか
    • 民族主義は国民統合の最後の手段
  • 8 戦狼外交――公然たる覇権主義
    • ロシアのウクライナ侵略と中国の外交
    • 覇権主義の表面化は必然だった
  • 9 少数民族差別――内に向けられた民族主義の刃
    • 「中華民族」概念と少数民族差別
    • 民族対立の扇動は禍根を残す
  • 結び――「一党独裁ならば、至る所災いだらけ」