〈母〉を問う

〈母〉を問う

母の比較文化史

「母」とは何か。古代から現代まで、日本?中国?西洋における「生みの母」に限らない「育てる女性」の多様な役割を、歴史史料や文学作品から浮かび上がらせる。

  • 著者
  • 高田京比子, 三成美保, 長志珠絵
  • 出版年月
  • 2021年01月
  • ISBN
  • 9784909364104

「母」とは何か。古代から現代まで、日本?西洋?中国における多様な「育てる女性」の役割、機能?表象を歴史史料や文学作品から浮かび上がらせる。

母子関係のジェンダー差に注目し、「男性」である息子に「女性」である母がどのように関わってきたのかを考察した第一部、国家?共同体などの公的世界と「母」の関係を問う第二部よりなる。

神戸大学出版会 書籍紹介より


目次

  • 第一部 母と息子
    • 第一章 モデラータ?フォンテにみるルネサンス末期ヴェネツィアの母
    • 第二章 啓蒙末期ドイツにおける「母」と子――教育役割をめぐって
    • 第三章 イギリス近代の母―息子関係――第一波フェミニストの家族生活をめぐって
    • 第四章 息子を育てる――旗本未亡人一家の明治維新
    • 第五章「銃後」で活動する母たち――大日本国防婦人会京都地方本部機関誌が描く母像
  • 第二部 母と公権力 
    • 第六章 母の嘆きのポリティクス――アテナイ公的言説空間における女性
    • 第七章 西洋中世の貴族の「家」維持と「母」機能
    • 第八章 「はだしの医者」の誕生と消滅――中国農村の母を支えた女性医療者たち
    • 第九章 大名家を支えた「母」たち――織田信長の乳母?養徳院と徳川家康の次女?督姫
    • 第十章 「母」は「銃後」にいたのか?――総力戦下の女性兵士論と「防空」業務