中国六朝期を代表する詩人、陶淵明。近景と遠景の描き方、作者の視線、距離感などに注意しながら、独特の風景観が形成されていく過程を明らかにする。
本書は、東西の古典を新たな角度から読み解く「書物誕生 あたらしい古典入門」シリーズの一冊である。中国六朝期を代表する詩人陶淵明(365?427)は、彼が生きた時代においては評価されていなかった。本書の第1部では、陶淵明の同時代から近代中国に至るまで、そして日本において、どのように読まれてきたかをたどりながら、その真価が認められるようになった経緯を探求する。第2部ではいくつかの作品を読み解く。彼の作品から受ける、ゆとりや伸びやかさが、何に起因するのかについて、近景と遠景の描き方、作者の視線、距離感などに注意しながら、独特の風景観が形成されていく過程を明らかにする。
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