農学研究科の小山竜平助教が、産官学連携本部?㈱神戸大学イノベーションの仲介により、ホテルプラザ神戸を運営する信和ホテルズ株式会社と、「いちごの通年栽培システムの開発」を目的とした産学連携プロジェクトを開始しました。
ホテルプラザ神戸では、ホテルの一部を改修し、約185平方メートルの部屋で千株のいちごを育てており、利用客が季節を問わず手軽にいちご狩りが楽しめるよう、室内いちごの通年栽培に挑戦しています。
いちごは暑さに弱く、夏秋期は出荷量が極端に低くなるため、市場では主に輸入品や冷凍いちごなどが流通しています。本プロジェクトを通じて、出荷量が少なくなる夏秋期でも安定的ないちごの栽培を目指します。
水耕栽培は土耕栽培に比べて成長スピードが速く、早期収穫かつ天候にも左右されないため、安定して供給することが可能です。室内栽培は周年供給や減農薬の手段として注目されておりますが、技術的難易度が高く、実用化されている例は多くありません。
信和ホテルズのいちごの水耕栽培では、さまざまな品種を育てており、希少価値の高いホワイトイチゴとして知られる“天使のいちご(エンジェルエイト)”や人気品種の“紅ほっぺ”なども含めて約13種類のいちごを育てています。
本学は信和ホテルズと連携して、栽培下における温湿度、光量、養液濃度、溶存酸素濃度の調節など、様々な条件下で実証実験を行い、最適ないちごの水耕栽培システム開発に取り組みます。